子供からの「お前」という呼び方への疑問に対し、背景や年齢別の答え方を分かりやすく解説します。家庭での言葉遣いを見直すヒントも紹介します。
ねえママ、どうしてパパはママのこと『お前』って呼ぶの?
学校で先生が「お前って言っちゃダメ」って言ってたよ。パパは怒ってるの?
え…?
怒ってるわけじゃないんだけど…それは…
うん、いい質問だね。ちゃんと説明するから、ちょっと待ってて
夕食の片付けをしている時、娘から投げかけられた素朴な疑問。確かに、学校では「お前」という言葉は乱暴な言い方として教わります。それなのに、家では夫が私を「お前」と呼ぶ。娘の指摘は、私自身もモヤモヤしていたことでした。
今回は、子供からの「なぜパパはママを『お前』と呼ぶの?」という質問に、親としてどう向き合うべきか、その背景と具体的な答え方をお伝えします。
なぜ子供はこの質問をするのか?
子供が「お前」という呼び方に疑問を持つのには、いくつかの理由があります。
① 学校で「お前はダメ」と教わるから
小学校では、友達同士で「お前」と呼び合うことを禁止している学校も多いです。相手を尊重する言葉遣いをしましょうという指導の中で、「お前」は乱暴な言葉として教わります。
だからこそ、家に帰ってパパが「お前、これ見た?」と言っているのを聞くと、子供は混乱するのです。「学校ではダメって言われるのに、なんでパパは使っていいの?」という疑問は、とても自然な反応です。
② 友達の家と比較して違いに気づく
友達の家に遊びに行ったり、友達の家族の話を聞いたりする中で、「〇〇ちゃんのパパは『ママ』って呼んでた」という違いに気づきます。子供にとって、自分の家が普通だと思っていたのに、実はそうじゃないと知った時の戸惑いは大きいものです。
③ 言葉の持つ「温度」を感じ取る
子供は、言葉の意味だけでなく、その言葉が持つ雰囲気にとても敏感です。「お前」という言葉には、どこか突き放したような響きがあることを、子供なりに感じ取っているのです。
「お前」という呼び方の歴史と背景
実は、「お前」という言葉には、意外な歴史があります。
元々は敬称だった「御前(おまえ)」
「お前」は、もともと「御前(おまえ)」という、目上の人に対する敬称でした。それが時代と共に変化し、昭和の頃には、夫が妻を呼ぶ時の一般的な呼称として定着したのです。
今の60代以上の世代では、夫が妻を「お前」と呼ぶのは普通のことでした。一方、今の20代〜30代の若い世代では、「お前」という呼び方に抵抗を感じる人が増えています。
つまり、「お前」という呼び方の受け止め方は、世代によって大きく異なるのです。パパ世代は、自分の父親が母親を「お前」と呼んでいるのを見て育ったため、それが当たり前だと思っていることも多いのです。
悪気があるわけではない
多くの場合、夫が妻を「お前」と呼ぶのは、決して見下しているわけでも、怒っているわけでもありません。単にそういうものとして、何も考えずに使っているだけなのです。
ただし、言葉は時代と共に変化します。今の時代、「お前」という呼び方が相手をどう感じさせるのか、子供にどんな影響を与えるのかを、改めて考える必要があるのかもしれません。
子供への影響を考える
親の言葉遣いは、子供に大きな影響を与えます。
言葉遣いは家庭で学ぶ
子供が最初に言葉を学ぶ場所は、家庭です。パパがママに対して使う言葉が、子供にとってのお手本になります。もし家庭で「お前」という呼び方が当たり前になっていると、子供も将来、パートナーに対して「お前」と呼ぶようになる可能性があります。
学校ではダメと言われ、家では普通。この矛盾が、子供を混乱させることもあるのです。
ジェンダー意識への影響
「パパはママを『お前』と呼ぶけど、ママはパパを『お前』とは呼ばない」という非対称性を、子供はよく観察しています。これが男性は女性より上という固定観念を、無意識のうちに植え付けてしまう可能性もあります。
今の時代、男女平等の教育が進む中で、家庭内の言葉遣いが古い価値観を伝えてしまうのは、もったいないことかもしれません。
年齢別の答え方
子供の年齢によって、適切な説明の仕方は変わります。
幼児期(4〜6歳):シンプルに
答え方の例
「パパはね、『お前』っていう呼び方で育ったから、ママのことをそう呼んでるんだよ。怒ってるわけじゃないの。でも、お友達には『お前』って言わないでね」
小学校低学年(7〜9歳):世代の違いを説明
答え方の例
「パパが子供の頃はね、パパのパパ(おじいちゃん)もママのことを『お前』って呼んでたの。その時代は、それが普通だったんだよ。でも今は、いろんな呼び方があるよね。時代が変わると、言葉も変わるんだよ」
小学校高学年(10〜12歳):一緒に考える
答え方の例
「そうだね、ママも時々気になるんだ。でもパパは悪気があるわけじゃなくて、そういう呼び方で育ったから自然にそうなっちゃうんだと思う。こぴよちゃんは、どう思う?家族で話し合ってみようか」
「なんて返せばいい?」と迷うママ・パパへ。心理学に基づいた「子供の心に届くフレーズ」が詰まった一冊です。
言い返しを学ぶことができる素敵な本です、もしよかったら参考にどうぞ。
避けたいNG回答と、家族で考える答え方
NG回答例
× 「大人のことだから気にしないで」
→ 子供の疑問を軽視してしまいます。
× 「パパが悪い」と一方的に責める
→ 子供の前でパパを悪者にするのは、家族関係に亀裂を生みます。
× 「昔からそうだから仕方ない」
→ 思考停止してしまい、改善の余地を失います。
家族で考える答え方
良い答え方の例
「いい質問だね。ママもね、時々『お前』って呼ばれると、ちょっとびっくりすることがあるんだ。でもパパは、悪気があるわけじゃないんだよ。こぴよちゃんがそう思うなら、今度パパと三人で話してみようか。『もっと優しい呼び方にしてみない?』って」
ポイント
- ママの気持ちも正直に伝える
- パパを責めない
- 子供を巻き込んで、家族で話し合う
まとめ:言葉を見直すきっかけに
娘の素朴な疑問をきっかけに、私は夫と初めて呼び方について話し合いました。最初、夫は「え、そんなこと気にしてたの?」と驚いていましたが、娘が「学校で『お前』はダメって言われた」と伝えると、「そうか…じゃあ気をつけるよ」と言ってくれました。
完璧に変わったわけではありません。今でもつい「お前」と言ってしまうこともあります。でもその度に、娘が「パパ、今『お前』って言ったよ」と笑顔で指摘し、夫も「おっと、ごめん。ママね」と言い直す。そんなやり取りが、我が家の新しい日常になりつつあります。
子供の疑問は、家族を見つめ直すチャンスです。当たり前だと思っていたことを、改めて考えてみる。それが、家族みんなにとって、より心地よい関係を作る第一歩になるのだと思います。
こぴよ
「お前じゃなくて、ママって呼んで」って
ぴよ
パパもきっと、こぴよちゃんのお願いなら聞いてくれると思うよ。
あなたが気づいてくれて、ママ嬉しいよ
最後まで読んでくれてありがとう!
また気になる疑問があったら、一緒に考えていこうね
