この記事では、青山美智子の連作短編集『赤と青とエスキース』を通して、過去との向き合い方や創作の誇りについて分かりやすく解説します。静かに心に残る読書体験を紹介します。
昔の話ばっかりしてるな、って思う時ある。
あの事が悪かったわけじゃないんだけどね。
でも、今が更新されていない感じもするの。
そういうことを考えさせてくれる本があるから紹介するね!
『赤と青とエスキース』とは?
どんな人におすすめ?
この本は、言葉に救われたり、言葉で自分を見つめ直したりした経験のある人におすすめしたい一冊です。
派手な展開で引っ張るというより一文一文が静かに刺さって、読み終えたあとも余韻が続くタイプの物語です。「読後に残るものが欲しい」ときに、特に合うと思います。
特に、
- 心に残る一文に出会いたい人
- ものづくり(仕事や趣味)に誇りを持ちたい人/評価に揺れることがある人
- 年齢を重ねること、過去との向き合い方について考えたい人
そんな人に、深く届く一冊です。
あの頃もよかった、と思える人生を目指して
『赤と青とエスキース』は、読みながら何度も立ち止まりたくなる作品でした。それは物語の展開が難しいからではなく、心に残る言葉があまりにも多かったからです。抜粋したい言葉が次から次へと現れて、ページをめくる手が止まってしまう。こんな読書体験は、久しぶりでした。
物語の中で語られる言葉のひとつに、「生命力って、生きる力じゃなくて、生きようとする力のことだよ」(P39)という一文があります。この言葉に触れたとき、生きることを「続ける」ための意思のようなものを感じました。派手さはないけれど、媚びがなく、清潔で、確かにそこにある力。登場人物たちの姿がその言葉と重なって胸に残ります。
また、作品づくりに関わる人たちの在り方もとても印象的でした。どれだけ考え抜いたか、どれだけ時間と愛情をかけたかは、他人には見えないけれど、それでも自分だけは知っている。と、その誇りがあるからこそ、評価は自分ではなく作品に委ねる。その姿勢がものすごく格好良く映りました。
物語は「年をとること」についても問いを投げかけてきます。あの頃は良かった、と過去を懐かしむのではなく、あの頃もよかった、と言える人生でありたいと読み終えたあと、そんなふうに自分のこれからを考えさせられました。
他にも印象的だったのは、「これまで通りが難しいとき、今は止まる」という選択が、
決して後退ではなく、続けるための決断として描かれていたことです。無理に押し進めない強さ。それもまた、大人になることのひとつなのだと感じました。
そして何より、この物語は最後の最後で、読者の視点を大きく揺さぶります。「そういうことだったのか」と思わず声が出て、すぐに最初から読み返したくなります。
読み返すことで、これまで見えていなかった感情や関係性が、まったく違って見えてくるので、本当に面白い読書体験でした。
好きなように楽しそうに生きている人も、悩みや苦しみを抱えていないわけではない。その想像力を忘れないこと。この作品は物語を通して、そんな大切な視点をそっと手渡してくれました。そして、こんな生き方をしたいと思うと同時に、浮かび上がってきた一人の先輩の姿があって、その方の誕生日にこちらの作品をプレゼントしました。それくらい、思い入れの深い本です。
読後の余韻がこれほど長く残る作品はそう多くありません。誠実で、そしてとても力強い一冊でした。
この本を読んで、私の日常が少し変わったこと
この本を読んでから私は「過去」に対する向き合い方が少し変わりました。あの頃は良かった、と無意識のうちに過去の自分にすがっていたことに気づいたからです。
でも『赤と青とエスキース』を読んで過去は誇るものでも縋るものでもなく、更新していくものなのかもしれないと思うようになりました。あの頃が輝いていたのなら、今もまた別のかたちで輝けるはずだと。
それから私は、「今の自分」でできることを探し、少しずつ行動するようになりました。大きな変化ではないけれど確実に前を向いています。そんな実感を、日常の中で持てるようになった気がします。
最後に
言葉の余韻に、じっくり浸りたいときに。
読み終えたあと、もう一度最初から読み返したくなる物語です。
気になった方は、下のリンクからチェックしてみてください。
最後まで読んでくれてありがとう!
これからもたくさん本を紹介するねっ!


