町田そのこさんの『宙ごはん』について、家族や人間関係のもつれと再生を描いた視点から、やさしく紹介・解説します。
人のこと、簡単には赦せないなって思う時がある。
それでも、誰かと関わり続けたい気持ちは残るよね。
そんなときに読める本ってあるかな。
あるよ。今の気持ちにピッタリな本紹介するね!
『宙ごはん』とは?
どんな人におすすめ?
この本は、人との関係や過去の出来事を簡単に割り切れずにいる人におすすめしたい一冊です。
誰かを理解したいと思いながら、どうしても理解しきれない部分が残ってしまう。
赦したい気持ちと赦せない気持ちが同時に存在する。
そんな複雑な感情を抱えたことのある人の心に届く物語だと思います。
特に、
- 家族や身近な大人との関係に、割り切れなさを感じたことのある人
- 「いい大人」「正しい大人」でいることに疲れてしまった人
- 食事や生活といった日常の営みの中に、救いを見出す物語が好きな人
- 人が変わっていく過程を、時間をかけて描いた作品を読みたい人
そんな人に、そっと寄り添ってくれる一冊です。
不器用な大人たちの痛みと、赦しへ向かう強さ
タイトルから想像していた以上に、「食べること」という行為を意味深く掘り下げた作品でした。温かいごはんの物語かと思いきや、描かれているのは決して単純な優しさだけではありません。複雑な家庭環境や人間関係が丁寧に描かれ、その中で懸命に生き成長していく登場人物たちの姿に、何度も心を打たれました。
印象的だったのは、「どうしようもなく不器用な大人たち」のリアルさです。間違えない人も、完璧な人もいない。それぞれが過去に傷を抱え、誰かを守りたいと思いながらもうまくできなかった経験を背負っています。その姿にやりきれなさと同時に、強い共感を覚えました。
物語の中で重要な存在となるのが、佐伯という大人です。彼は宙にとって、次第に“心の避難所”のような存在になっていきます。佐伯が作るごはん、かける言葉、その一つひとつが、宙に「居場所」と「愛情」を与えていく。その過程は決して大げさではないのに、じんわりと胸が温かくなる感動がありました。
食事という、何気ない日常の営み。それがこんなにも人の心をつなぎ癒す力を持っているのかと改めて考えさせられます。空腹を満たすだけではなく、「ここにいていい」と伝える行為なのだと、この物語は教えてくれました。
物語が進むにつれて描かれるのは、単なる「善い人」の話ではありません。過去に深い傷を抱えた人間たちがそれぞれの立場で葛藤し、どう向き合い、どう「赦し」と「再生」に向かっていくのか。その過程はとても誠実で、簡単に答えを出しません。
花野に対する感情は最後まで複雑でした。理解しきれない部分もあり、すぐに受け入れることはできない。それでも宙が彼女をどう見つめていくのか、その視点の変化に心が大きく揺さぶられました。
「赦す」という行為が、どれほど強く、困難で、そして尊いものなのかを、静かに突きつけられます。
読み終えたあとに残ったのは、やさしさだけではありません。生きることの厳しさと、それでも人と関わり続ける強さ。すごくすごく、力強い作品でした。
この本を読んで、私の日常が少し変わったこと
この本を読んでから、「食べること」を前より丁寧に扱うようになりました。忙しい日は適当に済ませていたけれど、温かいものを一口でも口に入れるだけで心が落ち着く瞬間があります。食事って空腹を満たすだけじゃなくて、「今日もここにいていい」と自分に言ってあげる行為なんだと気づいたからです。
それと同時に、人に対しても少しだけ見方が変わりました。器用じゃない大人の不格好さを見たときすぐにジャッジするより「その人も何か背負っているのかも」と一呼吸おけるようになりました。
許すことは簡単じゃないけれど関わりをやめない強さもある。そんなことを思い出せるようになって、日常の中の優しさが少し増えた気がします。
最後に
人との関係や過去の出来事に、簡単な答えを出せずにいるときに。
「食べること」「生きること」の意味を、改めて考えさせてくれる一冊です。
気になった方は、下のリンクからチェックしてみてください。
最後まで読んでくれてありがとう!
これからもたくさん本を紹介するねっ!

