どんな自分も抱きしめて来る小説──『リカバリー・カバヒコ』

小説『リカバリー・カバヒコ』のアイキャッチ画像。公園のベンチで本を手にする女性が、カバの遊具「カバヒコ」と向き合う夕方の情景。 特集
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この記事では、青山美智子の小説『リカバリー・カバヒコ』の魅力を丁寧に解説します。不安や他人との比較に疲れた読者に寄り添う物語を、初心者にも分かりやすく紹介します。


るな
るな

心の傷を、そっと癒してくれる本ないかな。

ここん
ここん

無理に元気にしないやつがいいよね。

るな
るな

今のままで読めるやつが良い!

ここん
ここん

それなら、ピッタリの本があるから紹介するね!


『リカバリー・カバヒコ』とは?

タイトル:リカバリー・カバヒコ
著者:青山美智子
出版社:光文社
出版年:2023年
ジャンル:文芸書・小説
受賞歴:2024年 本屋大賞7位

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どんな人におすすめ?

この本は、人と比べてしまう自分に、少し疲れている人におすすめしたい一冊です。

頑張っているつもりなのに、誰かと比べた瞬間に自信が揺らいでしまう。
そんな経験がある人の心に寄り添ってくれる物語だと思います。

特に、

  • 判断基準がいつの間にか「他人軸」になってしまう人
  • 不安になりやすい自分を、ネガティブに捉えてしまう人
  • できない自分を理由に、一歩踏み出すのをためらっている人

そんな気持ちを抱えている人に、そっと届く一冊です。

不安なままでも、前に進めると教えてくれる物語

 新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。その近くの公園には、古びたカバの遊具「カバヒコ」があります。自分の治したい部分と同じ場所を触ると回復する。そんな都市伝説を持つカバヒコに、マンションの住人たちはそれぞれの悩みを打ち明けていきます。本作は、そんな不思議な存在を軸に描かれる再生の物語です。

 青山美智子さんの作品らしく派手な展開があるわけではありません。それでも読み進めるうちに、登場人物たちの痛みに寄り添っていることが伝わってきます。苦しさを描きながらも最後にはそっと前向きな気持ちを残してくれる。期待を裏切らないあたたかさがありました。

 印象的だったのは、読み手の心に近づきすぎない距離感です。励ましを押し付けることもなく、答えを提示することもない。それでも読後には確かな余韻が残ります。希望を「与える」のではなく「手放してくれる」ような作風だからこそ、その余韻はより深く感じられるのかもしれません。

 物語を通して伝わってくるのは、「自分の心に従うこと」の大切さです。誰かの顔色をうかがってしまったり、他人と比べて自分を測ってしまったり、判断基準がいつの間にか他人軸になってしまう人にこの物語は響くと思います。

 個人的に心に残ったのは、「不安」に対する捉え方でした。嫌な想像をしてしまう自分をこれまでネガティブに捉えてきましたが、それを「想像力がある」と表現する視点に、はっとさせられます。なんとなく短所だと思っていたものを、はっきりとした長所へと変えてくれる。青山美智子さんの言葉には、そんな力があると感じました。

 全五章、正直どれもよかったのですがあえてひとつ挙げるなら「勇哉の足」。運動が苦手な中学生の物語です。苦手だからやらない、本人がやりたくないならそれでいい。
けれど本当はやりたいのに、できない姿を見られるのが怖くて避けているのだとしたら、それは少しもったいないのではないか。そんな問いが胸に残りました。

 登場する少年たちはまだ若いけれど、この言葉は大人にもそのまま当てはまる気がします。できない自分を恐れて一歩踏み出せずにいる場面は、きっと誰にでもあるからです。誰かの痛みに触れながら、自分自身の心も少しずつほぐれていく。やさしくて、それでいて確かな力を持った一冊でした。

この本を読んで、私の日常が少し変わったこと

 この本を読んでから、私は「不安になる自分」を少し違う目で見るようになりました。これまでは、嫌な想像をしてしまう自分を弱さや欠点のように感じていたけれど、『リカバリー・カバヒコ』はそれを「想像力があること」と言い換えてくれました。 
 それだけで日常の中で自分を責める回数が少し減った気がします。また、人と比べて落ち込んだときも、「今は回復の途中なんだ」と立ち止まれるようになりました。

 すぐに前向きになれなくてもいい。そう思える瞬間が、私の日常にそっと生まれました。

最後に

心が少し疲れているときや、自分を責めてしまいそうなときに。
やさしく寄り添いながら前を向く力をくれる物語です。
気になった方は、下のリンクからチェックしてみてください。

リカバリー・カバヒコ [ 青山美智子 ]
ここん
ここん

最後まで読んでくれてありがとう!
これからもたくさん本を紹介するねっ!

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