読むだけで少し前向きになれる小説──『成瀬は天下を取りにいく』

「成瀬は天下を取りにいく」の紹介用アイキャッチ画像。女子中学生風のイラストと本のタイトル、読者の感想風キャッチコピーが描かれている。 未分類

るな
るな

なんか読みやすくて、読んだ後に頑張ろうってなる本、なにかないかな?

ここん
ここん

疲れてると難しい本は進まないし、気分転換にさっと読めて、そっと元気くれる物語ほしくなるよねっ。

るな
るな

うん。「明日もちょっとだけ頑張ってみよ」くらいの前向きになれる本があるといいな。

ここん
ここん

だったら、ぴったりかもしれない物語あるよ。紹介するねっ!


『成瀬は天下を取りにいく』とは?

タイトル:成瀬は天下を取りにいく
著者:宮島未奈
出版社:新潮社
出版年:2023年
ジャンル:青春小説・現代日本文学
受賞歴:2024年 本屋大賞

どんな人におすすめ?

この本は、「最近小説を読んでいなかった」という人にこそぜひ手に取ってほしい作品です。
ストーリーは短めのエピソードがテンポよく進み、文章も平易で読みやすく、読書に慣れていない方でもスッと入っていけます。

また、

  • 何かに挑戦したいけど一歩が踏み出せない人
  • 周りと違うことに不安を感じている人
  • 自分のままでいいのか迷っている人

そんな心の揺れに、静かに寄り添ってくれる物語です。

この本を読んで感じたこと

 2024年、本屋大賞受賞作。日経MJで紹介されていたのをきっかけに購入したのですが、読み終えたときわたしの心の中にはずっと成瀬あかりが立っていました。話題性だけでなく「読者に寄り添う熱量」があって、初心者でも本当にさくさく読める一冊です!

 成瀬はいわゆる「主人公」という言葉がぴったりと似合います。特別な必殺技があるわけでも、カリスマ性で周囲を圧倒するわけでもない。静かで淡々としていて、どこか不器用。それなのに、彼女が口にする言葉は妙に心に残ります。

 普通だったら「何言ってるの?」で流されそうなことを成瀬は大真面目に宣言し、冗談のように聞こえる台詞でさえ、成瀬が言うと不思議な説得力が生まれます。

 面白いのは、彼女がその宣言をすべて達成するわけではないところ。うまくいかないこともあるし、途中で終わることもある。でもその「完璧じゃなさ」が、成瀬という人物の魅力をより深くしているように感じました。 結果の良し悪しよりも、まず「やってみる」という姿勢そのものに価値がある、読んでいて、そんなふうに思わされました。

 そしてこの作品は、成瀬の物語を中学生期と高校生期の二つの時期から描いているのも特徴的で、エピソードごとにテンポよく切り替わっていくので、忙しい人でも読み進めやすく、物語のリズムがとても心地良いです!

 わたし自身、当時こんな感想を抱きました。結果がすべての世の中かもしれないけれど、まずは好奇心のまま、心の赴くままチャレンジしてみればいいのかもしれない。それは、「挑戦してもしなくても、あなたはあなたでいい」と言ってもらえたようなやさしい感覚に近かったです。

 物語全体に流れる滋賀の空気や成瀬と周りの人々の距離がほんのり温かくて、読後の余韻が長い。小説に慣れていない人でもテンポよく読めるし、「久しぶりに小説を読みたい」という人へ安心して勧められる作品です。

 この本を閉じたあと、ふと「自分の人生をすこしだけ信じてみようかな」と思わせてくれる、大声で励ましてくるタイプではなく、静かに寄り添いながら背中を押してくれるような、そんな一冊。

最後に

わたしにとっても、間違いなく「推しの本」。まだ読んでいない方には、ぜひ手に取ってほしいです。気になった方は、下にリンクを置いておきます。

本屋大賞を受賞したこの物語が、どんなふうに心に残るのか。ぜひページをめくって確かめてみてください。

成瀬は天下を取りにいく (新潮文庫) [ 宮島 未奈 ]

ここん
ここん

最後まで読んでくれてありがとう!
これからもたくさん本を紹介するねっ!

タイトルとURLをコピーしました