子供からの「結婚」に関する素朴な疑問に、年齢別の適切な答え方を分かりやすく解説します。親子の信頼関係を深めるヒントも紹介します。
ねえママ、なんでパパとママは結婚したの?
友達のお姉ちゃんが結婚式したって聞いて、気になっちゃった
え…?
あぁ、えっと…それは…好きだったからかな?
急に聞かれると、ちゃんとした答えが出てこないわ…
好きってどういうこと?
私もママのこと好きだけど、結婚しないよね?
好きだったら、みんな結婚するの?
夕食後、何気ない会話の中で娘から飛び出した質問に、私は完全に固まってしまいました。
今回は、突然の結婚についての質問に、親としてどう答えればいいのかその背景と具体的な答え方をお伝えします。
なぜ子供は突然「結婚」について聞いてくるのか?
子供が「結婚」について質問してくる背景には、いくつかの発達心理学的な理由があります。
① 家族への関心の芽生え(4〜6歳)
幼児期後半になると、子供は「自分がどこから来たのか」「家族ってなんだろう」という根源的な疑問を持ち始めます。保育園や幼稚園で友達の家族構成を知ったり、絵本やアニメでお父さんとお母さんが登場したりすることで、家族の成り立ちに興味を持つようになるのです。
発達心理学者によれば、この時期の子供は自分の存在の確認をしているとされています。「パパとママがいるから私がいる」という因果関係を理解しようとする、知的好奇心の表れなのです。娘も最近、「私が生まれる前、パパとママは何してたの?」と聞いてくることが増えてきました。自分が生まれる前の世界を想像し始めたのは、成長の証なのだと感じます。
② 「なぜなぜ期」の延長線上
2〜4歳頃の「なぜなぜ期」を経て、5〜7歳になると質問がより抽象的で複雑になります。「なんで空は青いの?」から「なんで結婚するの?」へ。物理的な現象から、人間関係や社会のルールへと関心が移っていくのです。
この時期の子供は、目に見えないもの、触れないものについても「なぜ?」と問いかけるようになります。愛情、約束、ルール、そして結婚。これらは全て、子供が社会を理解していく上で避けては通れないテーマです。
③ 周囲の影響
友達の両親が離婚した、親戚の結婚式に出席した、プリンセスものの映画を見た、など、周囲の出来事がきっかけになることも多いです。娘の場合も、クラスメイトのお姉ちゃんが結婚式を挙げたという話を聞いて、「結婚ってなんだろう?」と考え始めたようでした。
特に結婚式は、子供にとって非日常的で華やかなイベントです。「あのキラキラしたドレス、素敵だったな」という憧れが、「結婚って何?」という疑問につながるのは自然なことです。
④ 親への愛情確認
「パパとママは好きだから結婚したんだよね?じゃあ私のことは?」という、愛情の確認作業でもあります。特に、下の子が生まれた時や、両親の喧嘩を見た後などに、自分は愛されているのかを確かめるために質問することもあります。
臨床心理士によれば、この質問の裏には私もこの家族の一員として大切にされているのかなという不安が隠れていることもあるそうです。だからこそ、質問を受け流さずに、真剣に向き合うことが大切なのです。
年齢別・発達段階に応じた答え方のポイント
子供の年齢や理解度によって、適切な答え方は変わってきます。同じ質問でも、3歳児と10歳児では求めている答えの深さが違うのです。
幼児期(4〜6歳):シンプルで具体的に
この年齢の子供には、抽象的な概念よりも、具体的でイメージしやすい言葉が効果的です。長い説明は理解しきれないので、短く、わかりやすく、そして温かく伝えましょう。
良い答え方の例 「パパとママはね、一緒にいると楽しくて、ずっと一緒にいたいなって思ったから結婚したんだよ。結婚するとね、同じお家に住んで、毎日一緒にご飯を食べたり、お話ししたりできるの。そして、こぴよちゃんみたいな大切な子供が生まれたんだよ」
ポイント
- 好きという感情を、一緒にいたいという具体的な行動に置き換える
- 難しい言葉(愛、責任、約束など)は使わない
- 笑顔で、優しいトーンで伝えることで、結婚がポジティブなものだと伝わる
小学校低学年(7〜9歳):少し踏み込んだ説明
この年齢になると、友情と恋愛の違いや、家族の役割について理解できるようになります。時系列の理解も進むので、出会いから結婚までのストーリーを話すこともできます。
良い答え方の例 「パパとママはね、出会った時にお互いのことをもっと知りたいなって思って、デートしたり、たくさんお話ししたりしたの。そうしているうちに、『この人と一緒なら、楽しいことも大変なことも乗り越えられそう』って思ったから結婚したんだよ。結婚っていうのは、『これからずっと一緒に人生を歩いていこうね』っていう約束なんだ」
ポイント
- プロセス(出会い→デート→結婚)を示すことで、時間の流れを理解させる
- 楽しいことも大変なこともと両面を伝えることで、現実的な理解を促す
- 約束という概念を導入することで、結婚の責任面も伝える
- 親自身の体験を少し混ぜると、リアリティが増して子供の理解が深まる
小学校高学年(10〜12歳):社会的・制度的な側面も
この年齢になると、結婚が個人の感情だけでなく、社会制度であることも理解できます。学校の授業で家族や法律について学ぶこともあるため、より踏み込んだ説明が可能です。
良い答え方の例 「パパとママは、お互いを大切に思って、一緒に家族を作りたいと思ったから結婚したんだよ。結婚っていうのは、二人の気持ちだけじゃなくて、社会的にも『家族です』って認められることなの。だから、結婚すると名字が変わったり、一緒に税金を払ったり、お互いの親戚とも家族になったりするんだよ。でも一番大切なのは、『この人と一緒に人生を作っていきたい』っていう気持ちなんだ」
ポイント
- 感情面と制度面の両方を説明
- 大人の選択としての結婚を伝える
- 多様な家族の形があることにも触れられるとなお良い
- 結婚しない選択もあることを伝え、価値観を押し付けないようにする
避けたいNG回答と、子供の心を育てる答え方
親が戸惑うあまり、つい言ってしまいがちなNG回答があります。これらは子供の心に思わぬ影響を与えることもあるので、注意が必要です。
NG回答例
× 「大人になればわかるよ」
→ 子供の疑問を軽視していると感じさせ、質問する意欲を削いでしまいます。「自分の疑問は大したことないんだ」と思い込み、好奇心が減退する可能性も。
× 「うるさい!そんなこと聞かないの」
→ 「聞いてはいけないこと」と思い込み、家族について考えることを避けるようになります。将来、恋愛や結婚について親に相談できない関係になることも。
× 「子供を作るため」
→ 子供によっては「自分は目的のために作られた」と感じ、不安になることも。「じゃあ私が生まれなかったら、パパとママは結婚しなかったの?」という疑問につながります。
× 「ロマンチックな嘘」ばかり
→ 「運命の人に出会って一目惚れして…」という理想化しすぎた話は、後で現実とのギャップに戸惑う原因に。思春期になった時に「恋愛ってこんなはずじゃなかった」と幻滅することも。
× 曖昧な答えでごまかす
→ 「なんとなく」「たまたま」という答えでは、子供は納得できません。親が真剣に答えてくれないと感じ、信頼関係にヒビが入ることも。
子供の心を育てる答え方のコツ
① 質問の裏にある気持ちを汲み取る
「なんでそう思ったの?」「何か気になることがあった?」と聞くことで、本当に知りたいことが見えてきます。
娘の場合、実は「友達のお姉ちゃんの結婚式がキラキラしてて素敵だった。私も大きくなったらあんな風になれるかな?」という憧れが背景にありました。それがわかってから、「素敵だと思ったんだね。大人になったら、こぴよちゃんも大切な人と出会えるといいね」と答えることができました。すると娘は安心した顔で「うん!」と笑ってくれたのです。
② 親自身の価値観を押し付けすぎない
「結婚は絶対すべき」「結婚しないと幸せになれない」という価値観ではなく、結婚は選択肢の一つという柔軟な伝え方を心がけましょう。世の中にはいろいろな生き方があり、どれも尊重されるべきだということを、子供のうちから伝えておくことが大切です。
③ 完璧な答えを求めない
「ママもまだ全部はわからないけど、パパと一緒だと安心するし、楽しいから結婚してよかったなって思ってるよ」と、親の正直な気持ちを伝えることも大切です。完璧な模範解答よりも、親の本音の方が子供の心に響くこともあります。
④ 継続的な対話の一部として捉える
一度の回答で終わりではなく、成長に応じて何度も話題にしていい内容です。「前に聞いた時と、今はどう思う?」と聞くことで、子供の成長を確認できます。答えが変化していくことこそ、子供が成長している証拠なのです。
⑤ 他の家族の形も尊重する姿勢を見せる
「パパとママは結婚したけど、世の中にはいろんな家族の形があるんだよ」と伝えることで、多様性を理解する子供に育ちます。シングルマザー、シングルファザー、再婚家庭、事実婚など、様々な家族の形を否定しない姿勢が大切です。
まとめ:質問は成長のサイン。焦らず向き合おう
「なんでパパとママは結婚したの?」という質問は、子供が家族や人間関係について考え始めた証拠です。戸惑うのは当然ですが、この質問は親子の絆を深める大切な機会でもあります。
完璧な答えを用意する必要はありません。子供の年齢や理解度に合わせて、誠実に、そして温かく答えることが一番大切です。そして、「質問してくれてありがとう」という姿勢を見せることで、子供は何でも話していいんだと安心します。
私も最初は戸惑いましたが、娘と向き合って話すことで、改めて「なぜ結婚したのか」「家族とは何か」を考える良い機会になりました。子供の疑問は、親自身が成長するチャンスでもあるのです。
こぴよ
ちゃんと聞きたいの
ぴよ
いつも質問してくれて、ありがとうね
こぴよ
ママみたいに、笑顔いっぱいの家族作りたいな
最後まで読んでくれてありがとう!
また気になる疑問があったら、一緒に考えていこうね


